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2014/12/26

秩序の中の無秩序「Casa del Como」

マキハウスデザインの旅

「Casa del Como」
現在は、その名で呼ばれているが、建築当初は”Casa del Fascio”

1932~1936年に建設され、
イタリアモダニズムデザインを牽引したジュゼッペ・テラーニの設計である。
建築の仕事をしていると、
稀に旅先で(意図する場合と意図しない場合の両方)名建築に出会う機会に恵まれるが
この建物ほど、遭遇した時に感動を覚えた建築物は何にも勝るものといえる。

建物全景

イタリア、ミラノ北部の人気の避暑地 コモ湖の近辺に位置し、
現在では富裕層の別荘も多い。

コモ湖周辺の風景

一件、単調とも思えるこの建築は、全て√2の比率による構成によって成立されている。
極めて単純で且つ、頑ななまでのルールを強いる事で、見る者へ威圧感と畏怖を感じさせるような印象がある。





























建物側面

建築された当時の時代および政治的背景も鑑みながらも、
これだけの建物を成し得た設計者には畏敬の念を覚えます。

建物を色んな角度から

全てが計算された上で成り立つ緊張感を伴いながらも、
単純な様でいて、複雑な比率を錯綜させる事で
秩序の中の無秩序とのリズムと、完璧なまでの独創性を生み出していると感じた。

建物に設置の銘板

またの名をPalazzo Terragniと表記される事も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


美しい構成美

80年を経た現在でもその姿は斬新であり、ひとつの方向性を示唆してくれる。
構成美というあくなき追求を成し得たものこそ到達できる極みであるかのよう。

現在でも凛とした姿を保ちつつ、静かに佇む。

↓googleマップよりhttps://www.google.co.jp/maps/@45.8120838,9.0854287,3a,75y,60.41h,89.58t/data=!3m4!1e1!3m2!1sVfunlCqGSuPEA4ZLvWN6sg!2e0

Casa del Como,(Casa del Fascio)
Giuseppe Terraghi
1936 Como,Italy