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2014/09/26

マキハウスデザインの旅「名建築の旅」価値ある近代建築を保存する国際組織DOCOMOMO

マキハウスデザインの旅

名建築を語る上で、国際的なムーブメントとして、
DOCOMOMOという活動があります。








http://www.docomomo.com/index.php

「近代建築に関する建物、敷地、環境の資料化と保存」のための国際組織であり、
日本においても2000年にDOCOMOMO Japanが設立されました。

DOCOMOMO Japanの公式HP
http://www.docomomojapan.com/registration/

私たちにも馴染みのある福岡銀行本店なども登録されています。
とても沢山の建物が群立する中で、どれを紹介するか、う~ん迷ってしまうのですが、そんな中でも「住まい」というジャンルでひとつの歴史を築いたと言える
住宅をご紹介します。

「白の家」
篠原一男

正方形の平面に方形屋根の頂部まで達する丸太の心柱を軸に、ひとつながりの居住空間と上下に分かれた個室だけで構成されたシンプルな間取り。
無駄なものを極限まで削ぎ落とし、ストイックなまでの空間構成に徹しています。







出典:http://www.visionunion.com/article.jsp?code=201404030008










出典:http://anaheimjournal.web.fc2.com/housew.html#

住宅という形において、どこまでも抽象的な関係性をつくりだしながらも
”プロポーション” 対比と比率のバランスの真摯な探求によって、
全ての要素が構成されていて、そこには独特の緊張感が漂っている。











出典:http://tenplusone-db.inax.co.jp/backnumber/article/articleid/1412/

建築史の学術的な分野において語られる事も多いこの「白の家」ですが、
上記リンクにあるように、難しい内容は専門的な記述に預けるとして、
只々、シンプルに見て「白の家」と称されながらも、
黒色(扉)との対比が厳かで、美しいという感覚で見てしまいます。

10m四方の真四角の平面をしたこのシンプルな家ですが、
もともと都市計画道路の上にあった事もあり、現在は
移築されて現存しているそうです。(平成20年)
移築する際に現行の法規基準と照らし合わせる事が必要であり、
オリジナルの部分は、芯柱と大屋根の小屋組みだけとなったそうです。
参考HP
http://www.mats.co.jp/0205/124.html










(写真も上記リンクより)

多くの建築家や建築学生たちに影響を与えたと言われるこの建物が
今後も遺され、永く愛され続ける事に深く感銘を受けるとともに
住まいとしての価値を追求していくひとつの指標としたいと思います。

House in White
KAZUO SHINOHARA
1967 Tokyo