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2009/03/16

今月のおすすめ本 『ナチュラル・サステイナブル』

オススメの逸品

『ナチュラル・サステイナブル』~生きる建築のすがた~

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無理なことをしない、無駄なこともしない。さまざまな材料でつくられている建築にとってエネルギー問題は切っても切り離せない。自然体で取り組んだ建物“IDIC”の持続可能なデザイン方法。

21年前、著者がドイツから日本に来るきっかけをつくったのが、ラジエーター式空調機メーカーピーエスだった。その後、岩手にピーエスの拠点として、工場+オフィス棟、木造とRCのゲストハウスを設計する。エネルギーの無駄がなく自然と調和した、安全で活動的な建物を求め、妥協なく理想を追求する著者。「サステイナブル」という意識はなかったけれど、きちんと意味のあることをしていれば、設備に頼らずとも自然にそうなったという。15年が経った昨年、JIA環境建築賞最優秀賞を受賞したこの建築は、当然なことを真面目に積み上げることの強さと美しさを、建物というかたちで私たちに教えてくれる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)彦根 アンドレア:ドイツ・コンスタンツで生まれ育つ。シュトゥットガルト工科大学で建築と都市計画を勉強し、卒業してからすぐ、来日。團・青島建築設計事務所、磯崎新アトリエを経て、卒業からわずか3年で1990年に彦根明と共に彦根建築設計事務所(A.H.ARCHITECTS)を設立。最初の作品「IDIC」は、CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)最高Sランク、第9回JIA環境建築賞「最優秀賞」受賞。環境に負荷を与えない建築のあり方を意識しながら、快適な空間デザインを目指し、設計活動を行っている。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)