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2014/11/22

職人さんの仕事に一日密着してみました。

現場レポート

年の瀬が近づくにつれて、弊社でも着工物件が増えてきました。
木造住宅を建てる工程の中で最も大がかりな作業が建前(棟上げ)です。
このブログでも何度か建前については取り上げましたが、
今回は大工さんに1日密着して、
基礎の状態から家の骨格が出来上がるまでの様子を
ご紹介したいと思います。


はじめに、早朝大工さん達が集合する時にはこの様な状態になっています。
建前の前の日までに大工さんは、基礎の上に土台、大引き、床合板といった
1階の床部分までを完成させておきます。



お清めを済ませ、建前が始まります。
始めに土台に柱を立てていきます。
プレカット加工がされているので、土台の穴に柱を差し込んでいくだけです。
大工さんが持っているのは逆さ掛矢(カケヤ)という道具で、
下にいながら上からの力で柱を土台に打ち込めます。
大工さんによっては、この工程までを前日にすませておく方もいるようです。



柱が立つと、胴差・梁を取り付けます。
胴差は2階の床の高さで、建物の外周をぐるっと廻っている横架材の事です。
土台から軒まで通った、通し柱という長い柱の側面に刺さるような形で固定します。
写真はクレーンで上げた床梁を打ち込んでいる所です。



1階ではさげふりを使って、柱がまっすぐ垂直に立っているかを確認しています。
糸におもりを吊るしたものもありますが、
建前の時は風の影響を受けない風防さげふりを使っています。
建物が垂直になっているのを確認すると、仮すじかいを打って固定させます。



斜めに入っているのが仮すじかいです。



こちらでは、梁と梁を羽子板ボルトと呼ばれる接合金物で締めています。
羽子板ボルトは住宅の耐震強度を大きくする為に
梁と梁の直交する部分に仕様する金物で、
木造軸組住宅において最も使用されている金物の1つです。
接合金物とすじかいで構造体の補強が終わると、2階も同じ様に建てていきます。

























段々と家らしい形になってきました。


屋根の施工に入ります。
2階天井の高さに位置する小屋梁と軒桁に小屋束を立て、
母屋を通して垂木を流します。
写真は垂木を母屋に打ち付けている所です。
手前から奥に向かって小屋束が高くなっているので、
上に乗っている母屋と垂木に勾配がついています。
勾配がついた垂木の上に野地板を並べ、釘で打ち付けていきます。



今回の建物はトップライトがついているので、
同時に設置まで終わらせます。
屋根の板金を施工しに来る業者さん等の後工程もあり、
雨に濡れるような状態にはしておけないので
ここまでは一気に終わらせる必要があります。



建前はお祭りの様な雰囲気もありますが、
同時にこれから本格的に現場が始まるという
身の引き締まる思いが強まります。

事故や近隣の皆様へのご迷惑がないよう注意して、
工程を進めていきます。

大工さんや関係業者の皆様、お疲れ様でした。