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Arflex よりミラノサローネレポート
マキハウスデザインの旅4月12日から6日間にわたって行われたミラノサローネ。
先月下旬あたりから家具のメーカーをはじめ、キッチンや建材メーカーなどが続々と報告会を行っています。
先日はイタリア家具ブランドArflexジャパンのレポートがあり、私どもも出席して参りました。
今年のサローネは…
今年のミラノも昨年一昨年と同じように、ほぼお天気が良く、暑いくらいの良い「サローネ日和」が続いたとか…
通称ミラノサローネはSalone del Mobileが正式名称で日本語訳すると家具の見本市です。メイン会場となるRho-Fieraではイタリアを代表する多くの家具メーカーをはじめ様々な家具が展示され、商談が行われています。今年は記念すべき55回目を迎えたミラノサローネ。街のあちこちに55のモニュメントが置かれ、盛り上がりを見せていたようです。
同時にMilano Design Weekもあり、ミラノの街全体がデザイン一色となります。今年は昨対120%、37万2千人来場との発表がありました。
OPEN BORDERSから紐解く
こちらの雑誌はイタリアのデザイン誌INTERNI。サローネ会期中、ミラノの街をあげておこなわれるFori Saloneの情報などが掲載され、ガイドが街のあちこちに置かれたり、INTERNI主催のインスタレーションもあります。その4月号の表紙「OPEN BORDERS」に沿って今年のサローネの振り返りが語られました。
①ディレクターシャッフル
文字通りディレクターとブランドがシャッフルされるような動きを見せました。その動きがわかりやすい例として3人のデザイナーとブランドが挙げられました。
イタリアの老舗ブランドCassinaはPatricia Urquiolaをアートディレクターに迎え、コレクションを展開。Cassina社で取扱いのあるデザイナー、リートフェルトのパビリオンを模した展示になっていました。昨年と今年のテーマとして挙げられたキーワードHistoryの要素を取り入れ新たな印象を与える展開となっていたようです。
Molteni&cではVincent Van Duysenにより、自邸を意識したブースつくりに。そしてPiero LissoniはporroやDePadovaの展示で意欲的で今までとは大きく変わった様相を見せていました。
②ライフスタイルからモノへ
通常家具の展示と言えば、ソファにはクッションをテーブルにはカップやキャンドルなど小物がライフスタイルを想起させ、家具の魅力を引き立ててくれると、考えがちですが、今年の展示では、家具そのもの単体を展示しているブランドが多数あったようです。一段上に凛とした様子で展示されたそのモノは、ボーダーが張ってあるわけではないのに、なんだか触れない、視覚からそのモノの美しさを感じることを期待しての展示だったのでしょうか。ですが、やはり実際に座って触って体感することが大切ですので、別会場ではたっぷりとライフスタイルを想起させる展示が用意されており、展示の役割を分けるような試みだったのかしれません。
③見えないものを見せる
家具の裏側とも言える、中身やパーツを、そこまで見せても良いのか…と思うほどの内容で展示していたようです。実態そのものを展示しようという意気込みは各ブランドの自信の現れなのでしょうか。興味を引いたのはVitraのカラーデザイナーHella Jongeriusの頭の中。素晴らしく美しく魅力的な色の要素となる彼女の感性を展示するという面白い発想で、その様子はVitraらしさそのもの。I don't have a favorite color.の文字がその中に忍び込ませてありました。遊び心があり、面白いですよね。
注目すべき点
商品カテゴリー
今年多く見られたのはハイバックのソファ。以前話題となったハイバックソファは、どちらかというと、コントラクト家具のイメージ、個室を想起させるようなものでしたが、今回は上半身全体を受け止め、座る人を寛がせようという意思が強く感じられます。高さ方向に圧迫感がある為、大きすぎないサイズで後から追加するなどユニット型のものもあるようです。
素材
エンジニアリングストーンがいくつかピックアップされました。ひとつは以前から注目の高いシーザーストーン、石の美しさそのまま、弱さを取り除いた世界初のクォーツエンジニアリングストン。他に鉱物資源を焼き付けたスペインのデクトン。深い黒とマットな質感が印象的です。
イメージ
bonsai、ming periodつまり明朝などのネーミングから分かるよう、
今回セミナー会場となったArflex福岡のpropostaではGTVのTARGAソファがあり、実際に座ることもできました。エルデコの2016デザインアワードのシーティング部門受賞のものでこの期間だけ福岡に展示されています。
いくつもの家具の写真をスライドで見せていただいた中で、Philippe StarckデザインのGlas Italiaの吹きガラスの脚でできたテーブルは特に印象に残っています。常識では不可能だろうとされていた吹きガラスをテーブルの脚に採用する、という技術力の高さとデザイナーの挑戦が生み出した結晶です。すべての家具において完成するまでには、このような様々なエピソードがあると思いますが、その尊さを象徴するような家具だなと感じました。
このようなエピソードを皆様にお伝えして、価値をお伝えするのも私たちの重要な役目です。
この期間中、
ミラノサローネはトップクラスのブランドやデザイナーの頭の中
Arflex取扱いの家具は福岡では中洲中島町にショールームを構えるpropostaで実際に見ることができます。