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2017/12/13

北欧デザインのあかりの秘密

リノベーションだから、できる

私たちの暮らしには家の中でのあかり、つまり照明器具が欠かせないものであり、マキハウスのリノベーションでもライティングプランは特に力を入れています。日本の住宅においては昔から明るさが重視される傾向にあり、一般的には天井面に直接取り付ける大きなシーリングライトで室内全体を明るくすることが主流となっています。しかしながら、近年は天井に埋め込むダウンライトが多用され、明るさよりもいかに天井面をすっきりと見せるかにこだわり、足りないあかりはフロアスタンドやテーブルライト、スポットライトなどで補うという照明計画が注目されています。マキハウスでもこのようなダウンライトを主流としたライティングプランを重視していますので、室内全体の明るさは通常よりも少し暗めです。

そもそも、家の中をそんなに明るくする必要はあるのか?という観点からのプランでもありますが、実はその考え方は北欧の住宅のあかりに共通するところがあります。

夜が長い北欧の暮らし方

あかり1

北欧は日本とは違って日照時間が短く夜が長いので、家の中で過ごす時間がとても大切にされています。長い時間をかけてゆっくりとゆっくりと晩御飯の食卓を囲み、家族団欒の時間を過ごします。だからこそ、あかりに対するこだわりがあり、PH5などの名作といわれるランプが数多く生まれました。北欧で暮らす人々のライフスタイルにおいて、あかりは非常に重要な役割を担っているのです。

あかりを楽しむスタイル

あかり3

北欧では必ずしも部屋全体を明るく照らす必要はないという考え方があります。日本の住宅のように天井の中央に照明を置くのではなく、いつも座るソファのコーナーなどにあかりを配置します。部屋を明るくするために照明器具を配置するのではなく、あかりそのものを楽しむために、必要な所に必要な照明を配置するというのが北欧のスタイルです。

直接光源が見えないランプ

あかり2

そうして長い時間をかけて食卓を囲む中、ダイニングテーブルの上のペンダントライトの光源、つまり電球そのものが見えてしまうと不快感が生じてしまいますので、PHランプのデザイナーであるポール・ヘニングセンは直接光源の見えない「グレアレス」という思想のもと、電球が見えない照明器具を緻密に設計しました。現在もその考え方はルイスポールセンのプロダクトの伝統として引き継がれています。

ペンダントライトの高さへのこだわり

あかり4

PH5には絶対的な高さへのこだわりがあります。卓上をしっかりと照らし、テーブルを囲む人々の顔を柔らかく美しく照らすためには、卓上60cmの位置にペンダントライトを吊るすことがベストとされています。シーリングライトに慣れている日本人にとって、実際にその高さにペンダントライトが下がっていると違和感があるかもしれませんが、北欧ではそうして人の目と近い位置にランプが置かれることが当たり前です。

このようなあかりへのこだわりが、北欧デザインの照明器具が世界中で愛されている秘密なのです。ただ単に室内を明るくするのではなく、必要な所に必要なだけあかりを配置し、そこから生まれる陰影や照明器具自体のデザインが北欧では大切にされています。あかりそのものを楽しむライフスタイルって素敵ですね。

(画像はルイスポールセン公式ホームページより引用)