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2008/07/05

今月のおすすめ本「日本の庭ことはじめ」

オススメの逸品

『日本の庭ことはじめ』

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本書は、庭園デザイナーの岡田憲久氏が、日本の庭園デザインに影響を与えてきた数々のテーマを採り上げ、庭園がどのような背景によって生まれ、そして現代に生きているかを分かりやすく解説します。

ありそうでなかった、日本の庭園の変遷と空間構成を説いた、まさに「日本の庭の入門書」ともいえる一冊です。

本書ではまず、日本人が古来愛でてきた自然が、どのように「庭園」として残されてきたか、その独特の環境と庭文化の流れを解いています。そして、庭園の源流をひも解きながら、中国と韓国の庭園との比較や、歴史的遺産となっている江戸以前の名園から、明治以降の近・現代の庭までの、庭の形や様式の変遷をカラー写真を豊富に交えて紹介しています。

さらに作庭に関する書物や、庭園史に名を残す作庭家についての解説、日本人が自然を愛してきた姿が伝わる工芸品や絵画を紹介するなど、庭にまつわる文化史にも迫ります。

また、今後ますます都市化が進む中、将来的に、日本の庭はどうあるべきかを考える視点も教えてくれる一冊です。