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2017/11/21

セカンドライフを住宅から考えてみませんか?

住宅の基礎知識

はじめに

セカンドライフとは、「定年後の第二の人生」のことです。

定年、または子どもの自立などによってライフスタイルが大きく変わるときであり、住宅について見直すチャンスともいえるでしょう。

それでは、セカンドライフを過ごすのに最適な住宅とはどのようなものなのか、見ていきましょう。

セカンドライフとは

セカンドライフの意味

セカンドライフは、直訳すれば「第二の人生」という意味です。

20代から50代までは、仕事や子育てをメインにしてきた人も、肩の荷を下ろしてホッと一息つくことができる時期でもあります。

趣味の時間が持てるようにもなるため、「第二の青春」として、充実した毎日を過ごしたいと考える人も少なくないのではないでしょうか。

セカンドライフの過ごし方

セカンドライフの醍醐味の一つは、習い事、スポーツ、旅行、ボランティア活動などに熱中できることです。

これまでは、なかなか自分の時間をとることができなかった人でも、悠々自適のシニアライフを過ごすことも夢ではありません。

毎日の生活を見直す大切さ

毎日を活動的に過ごすのももちろん素晴らしいことですが、本当に豊かなセカンドライフを望むなら、毎日の生活を見直すことも大事ではないでしょうか。

人生の8割は、日々のルーティンで構成されているといっても過言ではありません。もちろん、心ときめく出来事は人生に花を添えてくれます。しかし、いくら華々しい活躍をしたとしても、毎日の生活の中で幸せを感じることができなければ、その人生は豊かとはいえないかもしれません。

充実したセカンドライフを過ごすためにも、今一度、日々の生活を見つめてみてはいかがでしょうか。

セカンドライフは住まいを見直す時期

セカンドライフに向けての準備

ある保険会社の調査が「セカンドライフのためにしておきたいと思う準備」を調査したところ、1位「趣味ボランティアなど生きがいづくり」が44%、2位「介護病院などの情報収集」が24%、3位「引っ越しリフォームなど住まいの準備」が17%、4位「再就職企業のための準備」が15%という結果が出ました。

「住宅に関する準備をしたい」と考えている人が少なからずいることがわかります。

長くなる自宅での時間に備える

人生を80年、定年を65歳としてみましょう。

定年後の毎日は労働時間も通勤時間も必要ないため、睡眠時間6時間、入浴、身支度、家事等の2時間をのぞいた16時間は、自由時間ということになります。16時間×(80年-65年)×365日=約8.8万時間の自由時間が残されているという計算になります。そして、「そのほとんどを自宅で過ごす」という方が多いでしょう。

セカンドライフの暮らしはどうなるのか

特に、若いうちは、中高年になるとどのような暮らしが待っているのか想像できないものです。家で過ごす時間が長くなると、ご近所の方と触れ合う機会も自然と増えます。

ご近所付き合いを良好にしておくに越したことはないでしょう。また、定年後は夫婦で仲良く過ごしたいと考える人も多いようですが、夫と妻で意見が食い違ってしまうことも多々あります。

夫は、毎日が週末のオフの日のような状態が続くのだと期待していても、妻は夫に関係なく、それまで通り平日は自分の活動をアクティブに続けたいと考えていることもめずらしくありません。定年後は妻が家を空けがちで、夫が一人で留守番をしているというパターンもあります。

夫の定年退職後、毎日顔を突き合わせ、三度の食事を作らなければいけないことに耐えられず、離婚に至るケースさえあります。セカンドライフを夫婦円満に過ごすためにも、お互いの関係を見直しましょう。

そのきっかけとして、住宅をリフォームするというのも一つの方法です。

セカンドライフ世代に合わせたリフォーム

海外暮らし田舎暮らしがブーム?

定年後の海外暮らしや田舎暮らしがブームになったこともありました。

しかし最近では、アジア諸国でも物価の上昇や治安の悪化が見られ、海外で安全かつ豊かな生活を維持するためには、大変なコストがかかります。少ない費用で日本では考えられないセレブな暮らしができるというメリットは、もはやないといってもよいでしょう。

「田舎暮らしで、シニアライフをゆったりと満喫したい」という人もかつては結構いました。しかし、最近のある調査では、50歳から69歳の男女の76%が「定年などで仕事を引退した後、引っ越しをする予定はない」と答えています。

今、老境に差し掛かっている団塊世代は、進学や就職で上京してきた人がたくさんいます。定年後は故郷に戻るかというと、すでに親も他界し、親戚とも疎遠になっている傾向があります。
代替わりした田舎に帰るよりも、長年過ごしてきた土地を離れたくないと考える人が多いのです。

セカンドライフに
リフォームリノベーションは必須

定年後も移転せずに、同じ場所に住み続けるという選択は、充実したセカンドライフを過ごすためにも間違いではないでしょう。

セカンドライフで重要になってくるご近所との関係も、ある程度構築されています。どこかに引っ越して、一から人間関係を構築しなければいけないという煩わしさもありません。

しかし、セカンドライフの暮らしは、それまでとは違うものになります。

たとえば、すでに子どもは独立し、子ども部屋は荷物置き場と化しているようなケースも少なくありません。また、結婚当初、もしくは子どもが生まれたタイミングなどで購入した住宅は、築年数も重ね、いろいろなところに劣化が生じているはずです。夫婦で生活しやすいように、リフォームやリノベーションを考えてみてはいかがでしょうか。

リフォームリノベーションの注意点

セカンドライフを快適に過ごすため、住宅をリフォームする際に特に注意したいのが「水回り」です。

年月とともに傷みやすい部分でもあり、この機会に一新することをおすすめします。定年後は、男性もキッチンを使う機会も増えることもあるでしょう。キッチン、トイレ、バスルームという住宅の基本をなす部分を新しくすることは、住み心地をより快適にするためにも欠かせないでしょう。

また、セカンドライフに向けた住宅リフォームでは、プライベートを重視することも忘れてはいけません。

夫婦二人の時間が増えるとはいえ、いつも一緒にべったりしていては、ケンカの種が増えるかもしれません。実際、「定年後に急に夫にまとわりつかれるようになって迷惑している」という妻も少なくありません。夫婦それぞれの個室を作るなど、お互いに自分の時間を確保できるように工夫することも大事です。

セカンドライフの
リフォーム、リノベーションのポイント

セカンドライフのために住宅をリフォームリノベーションするには、押さえるべきポイントがいくつかあります。

メンテナンスが簡単な住宅にする

たとえば、モルタル外壁塗装の住宅は、10年おきにリフォームをしなくてはいけません。

それよりも、メンテナンスが少なく、耐久性の高い塗り壁をおすすめします。初期コストは多少高くなってしまいますが、長期的なコストはむしろ安くなるともいえます。高齢になってからのリフォーム費用の捻出を回避できるようにしましょう。

バリアフリー住宅にする

家庭内事故のデータを調べてみると、家の作りに起因する高齢者の事故が増えていることがわかります。家の作りを若い頃のままにしていては、高齢者にとっては危険なのです。年齢とともに、どうしても足腰、握力、視力は低下するため、それに合わせて住宅も作り替えなければいけないといえます。

高齢者の家庭内事故がよく起きる階段、浴室、床には、特に注意しましょう。

階段には手すりをつけ、浴室には暖房装置をつけてヒートショックを予防し、滑り止め加工を施した床材を使用して、転倒を防止するようにしてください。

楽ができる住宅にする

セカンドライフでのリフォームリノベーションでは、肉体的、精神的、金銭的に楽ができる住宅を作るようにしましょう。

「肉体的に楽」というのは、家事が楽にできるということです。掃除や収納が手間なくできるように、動線も見直しましょう。

「精神的に楽」は、つまり、ストレスの少ない住宅を作ることも大事です。家にいる時間を、できるだけ楽しく過ごすことができるようにしたいところです。プライベートを保てる空間、熟睡できる寝室などを心がけましょう。

「金銭的に楽」というのは、メンテナンス費用や光熱費がかからない住宅のことです。省エネ材を使用して、住宅の断熱性能を上げたり、太陽光発電を取り入れるのもおすすめです。

もし、家が広すぎるならば、思い切って減築してみるというのも一つの方法といえるでしょう。

ライフステージに合わせた住み替え

住み替えという選択

充実したセカンドライフのために、現在住んでいる住宅をリフォームするというのも一つの選択ではあります。

しかし、最近ではシニア向け住宅なども増えているため、そういったところに住み替えるのもよいでしょう。特に、一戸建ての場合は、建物の維持管理、防犯などにかかるコストはバカになりません。それだけのお金をかける価値があるのか、今一度考える必要があるともいえます。

特に、郊外の一戸建ては、買い物や通院に車が不可欠という場合もあり、老後の暮らしに不安を感じている人も少なくありません。同居している子どもに運転をお願いすることもできるかもしれませんが、セカンドライフは夫婦二人で気兼ねなく過ごしたいという人が大半です。

駅近のマンションに住み替え、
リノベーションする

駅から遠く、メンテナンスの費用がかさむ一戸建てならば、コンパクトで利便性の高い駅近マンションに住み替えるという選択もあります。一戸建ては、庭の手入れや就寝前の戸締まりなど手間がかかることも多く、高齢者には負担になります。

しかし、マンションであれば、そのような心配もありません。オートロックや防犯カメラといった設備も万全であるため、防犯上の不安を解消してくれます。駅近ならば、車を手放しても、買い物や通院も徒歩ですませることもできるでしょう。

シニアライフを快適に過ごすために、駅近マンションに住み替えて、自分のライフスタイルにあったスタイルにリノベーションしてみてはいかがでしょうか?

バリアフリーマンションという選択

駅近なだけではなく、バリアフリーのマンションであれば、ますますセカンドライフにおすすめです。

バリアフリーリフォームというのは、コストがかかります。リフォームをしなければいけないのならば、いっそのことバリアフリーマンションに引っ越すという選択もよいのではないでしょうか。

セカンドライフを楽しむ方法

必要資金を確保する

セカンドライフを満喫するには、まず先立つものが必要です。

セカンドライフ資金としては、一説では、およそ1億円が必要といわれています。そこまでは、難しいかったとしても老後に備えて、コツコツと貯金しておくようにしましょう。

たとえば、年金がいくら受け取れて、現在の生活水準を65歳から100歳まで続けるには毎月10万円、合計4,200万円が不足する等、できるだけ具体的に計算することが貯金を成功させる近道です。

退職金を1,260万円もらえるならば、4,200万円-1,260万円=2,040万円が必要ということになります。

自分の時間を大事にする

セカンドライフをイキイキと過ごすには、いかにして自分の時間を持つことができるかがポイントになります。

人生の大半の時間を会社で過ごしてきた人が、一から会社以外の人間関係を構築するのは大変なことでしょう。若い頃から趣味仲間を作るなど、会社以外の居場所も作るようにしておきたいところです。

妻だけに依存するのは、離婚の原因にもなりかねません。くれぐれも注意しましょう。

年齢を20歳若く思い込む

実年齢よりも20歳若いと思い込み、日々新しいことに興味を持って生活するのも、セカンドライフを楽しく過ごすには良いスパイスになるでしょう。

もちろん、大人らしい分別も大事であり、体力が低下していることを無視して無茶することはおすすめできませんが、高齢者だからといって老け込む必要はないのです。「こんな年齢からスタートしてもしょうがない」などと思わず、いろいろなことにチャレンジしてみましょう。

そのためにも、日々の暮らしの土台となる住宅を快適にしておくことをおすすめします。

まとめ

セカンドライフと住宅のリフォーム、住み替えなどについてお伝えしてきました。

充実したセカンドライフを実現するためにも、人生のステージに応じた住まいを検討してみてはいかがでしょうか。