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2017/10/10

失敗しない住まいの選び方!

住宅の基礎知識

はじめに

家を購入するということは人生の中でも特に大きな買い物なので、情報収集から物件探し、資金繰り、税金のことまで、やるべきことはたくさんあります。特に、家の購入にかかる費用も高額になることから、普段の買い物と比べてより慎重になる方が多くなります。

また、家の購入には住宅ローンを利用する方がほとんどですが、住宅ローンには年齢条件があり、一般的に完済時の年齢が80歳と決められているため、 45歳を過ぎてからは長期ローンを組みにくくなる傾向にあります。そのため、家を購入する年齢層は 30~40代が多く、中でも38~40歳がピークになっているのが現状です。

家を購入する際には、家族構成や将来設計も踏まえて家探しをするとご自身にぴったりの家を見つけることができ、新居で快適な生活を送ることができます。また、家と言っても、新築か中古か、マンションか一戸建てか、一戸建てなら建売住宅や分譲住宅、注文住宅、などたくさんの種類があります。

では、実際にこれらの家がどのようなものなのか、特徴やメリット、デメリットなどを詳しく紹介していきます。

一戸建てとマンションどっちを選ぶ?

家の購入を決めて物件探しを始めた際に、マンションにするか、一戸建てにするかが最初の選択肢となります。マンションの場合、同じ土地と建物を複数の人と共有するためある程度のルールはありますが、細かい管理は管理会社に任せられるのが魅力です。

一方、一戸建ての場合、土地と建物全てがご自身のものになるため自由に暮らせるのが魅力ですが、全て自己管理になるため手間がかかります。

マンションのメリット

立地がいい

一戸建ての住宅に比べてマンションのほうが駅から近いなど、比較的利便性の高い立地が多い傾向があります。通常、いい立地であれば土地代が高くなるものですが、マンションであれば一つの土地に多くの世帯が住めるため、 1部屋あたりの土地代を抑えることができ、比較的手が届きやすいのが特徴です。

セキュリティ性が高い

マンションは、オートロックや監視カメラといった防犯設備が充実している物件や、管理人や警備員が常駐していることが多いため、セキュリティ面で安心です。また、他の住人も出入りすることから、放火や空き巣などの犯罪を抑制する効果もあります。

採光や眺望が良い

近くに高い建物がなく、中層階・高層階であれば日当たりや眺望を満喫することができます。また、こうしたマンションは風通しも期待できるため、採光や眺望、風通しを重視したい方は、階層だけでなく窓の位置や周辺の環境などもチェックしておきましょう。

生活動線がスムーズ

マンションはエレベーターが設置されていて階段を使わずに移動できることが多いため、バリアフリーな生活ができます。そのため、ご高齢の方や歩行が難しい障がいをお持ちの方には生活しやすい環境です。

マンションのデメリット

生活音が響く場合がある

マンションに住んだ場合、近隣住民と問題になりやすいのがドアの開け閉めや足音などの生活音です。生活をするにはどうしても出てしまう音なので、許容する必要があります。

ペットが飼えない場合がある

マンションによっては、ペット不可の物件や飼えるペットに制限がある場合があります。そのため、ペットを飼いたい場合には、物件を探す時にペット可の物件の中から選ぶようにしましょう。

資産価値の下落に注意が必要

土地の価格はあまり下がりませんが、建物は経年劣化により年々下がっていくものです。劣化のスピードは管理会社の維持管理状況によります。維持管理をしっかりしているマンションの資産価値は比較的下がりにくい傾向にありますので、管理会社の維持管理の状況や修繕計画などがきちんとされているかチェックしておきましょう。


一戸建てのメリット

生活音が気にならない

一戸建ての場合、独立した建物のためマンションのように上下左右からの生活音が響いてくることも、ご自身の出す生活音が周りに響くこともありません。もちろん、騒音トラブルが全くないというわけではありませんが、日常生活の範囲でしたらトラブルになることはまずありません。

ペットが飼える

マンションの場合、飼えるペットに制限があったり、ペット不可の物件も多くあります。一方、一戸建の場合、鳴き声や臭いなどに多少の配慮が必要なものの、好きなペットを飼うことができます。そのため、動物好きな方にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

建て替えやリフォームが自由にできる

一戸建ての物件はマンションと違い、ご自身のライフスタイルに合わせて比較的自由に建て替えたり、リフォームすることができます。そのため、ペットを飼うことになったり、趣味の部屋を増やしたいといった時にいつでも家をカスタマイズすることができるのも魅力です。

一戸建てのデメリット

耐用年数が比較的短い

一戸建ての耐用年数はおおよそ 30年と言われていて、マンションの 50年と比べると短い傾向にあります。しかし、近年では長期優良住宅普及促進法や長寿命化促進税制の影響で住宅の寿命を延ばす傾向も活発になっているため、建物の寿命は延びていていっています。

維持管理をする必要がある

マンションは管理会社が建物の維持管理をしてくれますが、一戸建ての場合は全てご自身で管理する必要があります。購入してからどのタイミングでいくら位修繕に必要になるかわからず、いざ必要になった時に資金が足りずにそのままになってしまうケースが多いのです。修繕をしないままでいると、建物の寿命が短くなってしまうので注意しましょう。

新築と中古のメリットとデメリット

新築と中古の違いは、単純に建物や設備が新しいか古いかだけではありません。日本では新築の物件を選ぶ方が多い傾向にありますが、新築にも中古にもメリットやデメリットがあるため、中古の物件を選ぶ方も少なからずいます。

新築のメリット

新築の場合、建物はもちろん、最新の内装や設備があるため、当面はリフォームする必要がなく、耐震性能や省エネ性能にも期待できます。また、建物の保証期間も長く、税制面でも優遇されやすいのが特徴です。

新築のデメリット

新築は中古に比べると購入費用が高く、希望するエリアに物件がない場合もあります。また、建物については消費税が課税されるため、消費税が上がるとその分負担額も増えることになるので注意が必要です。その他にも、新築は実物を見ることができないこともあるため、その際にはモデルルームやモデルハウスで確認することになります。

中古のメリット

新築に比べて購入費用を抑えることができ、個人間取引であれば土地にも建物にも消費税がかからないのが特徴です。また、実際に物件の中を見てから決めることができるうえ、同じ価格帯の新築よりも好立地の物件が多いため、選択肢も多い傾向にあります。

中古のデメリット

新築に比べて維持費がかかることが多く、購入時に不動産会社に仲介手数料を払う必要があるため、初期費用が嵩むことがあります。また、建物の設備や傷み具合によっては、早い時期にリフォームが必要になることもあるため注意が必要です。

一戸建ての種類と選び方

一戸建てには建売住宅や分譲住宅、注文住宅、といった種類があり、それぞれに特徴があります。そのため、よく調べずに契約を交わしてしまうと、思っていたのと違うというトラブルになりかねませんので、ここでよく確認しておきましょう。

建売住宅

建売住宅とは、分譲住宅とも言われ、建物と土地がセットで販売されている物件のことです。既に建物が完成しているものもありますが、建築途中の段階で販売されているものもあります。基本的に、間取りなどの建物のスペックはあらかじめ決められているため、価格もだいたい決まっているものです。また、建売住宅の場合は売主と不動産会社の両方から販売されることがあり、不動産会社から購入すると仲介手数料がかかるため、同じ価格であれば売主から購入した方が安く購入することができるのです。

メリット

建売住宅は、不動産会社などが土地を仕入れて物件を建てるため、他の一戸建て住宅と比べて立地が良いものが多いです。また、既に建物が完成している物件であれば、家の中全体を見学してから購入するか検討することができるため、入居後の生活をイメージしやすい傾向にある上、購入後に比較的早い引渡しと入居をすることができます。

建売住宅は、同じ設備や仕様の家を複数建てるため、まとめて設備や建具を注文することができます。そのため、建築費用や設計費用を削減でき、販売価格を抑えることができるのです。

さらに、既に仕様が決められていることから、設計の打ち合わせなどの準備に必要な時間と手間も減らすことができるため、忙しい方でも比較的手続きを進めやすい傾向にあります。

その他にも、土地と建物を同時に購入できることから、住宅ローンなどの手続きをまとめて済ませることができるのも嬉しいポイントです。

デメリット

建売住宅はあらかじめ設備や仕様が決められているため、間取りや内装、設備などを変更することができません。また、物件によってはリフォームが難しかったり、費用が高額になってしまうこともあるので注意が必要です。

また、耐震性や断熱性などの住宅のスペックが記載された資料がもらえない場合もあるため、気に入った物件を見つけた場合には契約をする前に資料をもらうようにしましょう。

建築条件付き土地

建築条件付き土地とは、先に土地を購入して指定された施工会社に建物の建築を依頼することを前提とした条件付きの土地のことです。

具体的には、土地の売買契約をしてから 3ヶ月程度で建物の請負契約をするという条件で、間取りなどの仕様は提示されたものの中から選択することができます。土地を買って建売住宅のように家を建てることから、売建住宅とも言われることもあるのです。

メリット

間取りや設備などを選べるため、建売住宅に比べると選択肢が多いのが特徴です。また、ある程度決められた仕様を選べば費用を抑えることもでき、おおよその建築費用が決まっているため、予算計画が立てやすい傾向にあります。その他にも、土地を購入してから建物を建築するため、建築中の様子をチェックすることができるのも見逃せないポイントです。

デメリット

建築条件付き土地の場合、施工会社がほぼ決められているため、ご自身で依頼したい施工会社が決まっていて自由に選びたいという方には一番のデメリットかもしれません。また、土地の売買契約をしてから決められた期間内に建物の外装や内装、キッチン、洗面台などを決める必要があるため、仕事などで忙しい方にとっては時間との戦いになることも多いようです。

注文住宅

注文住宅とは、最初に土地を購入し、ハウスメーカーなどに設計を依頼してご自身の予算や希望に合わせて建築する物件のことです。設計から施工までを同じ業者に依頼したり、設計と施工管理を依頼する業者と施工を依頼する業者を分けたりすることもできます。

ただし、土地の形や地域の法令により、建築できる建物に制限ができてしまう場合があります。そのため、土地探しから始める場合にはハウスメーカーなどの住宅会社に協力をしてもらうと失敗のない土地選びができ、建物もご自身の思いのままにカスタマイズできるのが特徴です。

メリット

好きな土地を自由選べるため、利便性を重視するのか、郊外の広い土地でゆったり過ごすのかといった要望を細かいところまで追求することができます。

また、敷地も自由に使うことができるため、駐車場を2台分作ったり、家庭菜園を作ったり、ペットと遊べるスペースを作ったりと、ご自身の好きなようにカスタマイズすることができるのです。

建物についても、間取りや設備なども細かいところまで自由に選ぶことができるため、キッチンを広くしたり、子供部屋を作ったりと、ご自身や家族の要望を取り入れることができます。

また、マンションや建売住宅では既に設備が決められているため、中には不要なものが設置されている場合もありますが、注文住宅であればご自身に必要なものだけを選ぶことができるのも嬉しいポイントです。

デメリット

土地も建物も自由に選べる分、細かいところまでご自身で決める必要があるため、業者との打ち合わせや家族との話し合いに時間と手間がかかります。また、ご家族それぞれがご自身の部屋を確保したい場合、決められた予算の中で意見をまとめるのが難しくなり予算をオーバーしてしまうこともあるのです。

その他にも、土地と建物を別々のタイミングで購入することから、契約や融資の手続きが複雑になる傾向にあります。

まとめ

マンションや一戸建て、新築や中古など、様々な選択肢の中から家選びができるということをお分かりいただけたかと思います。普段聞き慣れない言葉や難しい選択をする場面もあるかと思いますが、業者任せにしてしまうと後々後悔する場合がほとんどです。実際、事前にしっかりと知識を身に付けて必要に応じて第三者に相談し、妥協せず家選びをした方が後悔のない家選びができています。家の購入をご検討中の方は、ご自身が納得いくまで比較、検討して快適な住まいを手に入れましょう。