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2014/11/15

住まいの快適さを追求する「動線から考える」土地選定- アプローチ編

住まいの快適さを追求する

住まいの快適さを追求する「動線から考える」土地選定-

アプローチ編

建物を建てる上で、最初に土地を考慮していきます。
所有している土地にしても、これから探すにしても、
建物をどのように建てるかのスタートになります。

今回はどのように土地を選んで、どのように建物を建てるかを、
『動線を考える』ことを念頭に例をいくつか紹介したいと思います。

土地を選ぶ段階で忘れがちなのが、
前回ご紹介した接道(住まいの快適さを追求する「動線から考える」道路接道編 )だけでなく、
その土地に至る道路の状況です。

不動産情報では、前面道路5mなどといった表現がありますが、
その途中で3mの幅員があったり、6mだったりとばらつきがあります。

また高低差や信号、通学路などいろんな要素が絡んできますので、
現地に訪れるかgoogle mapなどの地図で周辺確認をお勧めします。


(フランス:ラルブレーム‐ラトゥーレット修道院のアプローチ途中 ル・コルビジェ設計)


(フランス:ラルブレーム‐ラトゥーレット修道院のエントランス手前の林道)

高低差や敷地の特殊条件を利用しながら、
建物を見せたり隠したりして、建物に至る動線の変化をつけることもできます。


(オランダ:アムステルダム‐子供の家;125名を収容できる孤児のための収容施設 アルド・ファンアイク設計)

接道からの距離と植栽を整えることによって
建物見え方やプライバシーなどとのバランスが整えられます。


(オランダ:アムステルダム‐子供の家 アプローチ周辺の庇の柱を利用したベンチ)

アプローチやエントランスの周辺に人が溜まれる機能を盛り込むと、
空間がより豊かになります。


(東京:東京国立博物館法隆寺宝物館 谷口建築設計研究所 設計)

メインアプローチは建物と直行するものの中心ではなく、
やや左側から水盤でクランクさせて
建物の右側のエントランスにアプローチさせています。


(東京:東京国立博物館法隆寺宝物館 水盤からのアプローチ)

水盤とガラス、植栽によってその時々で様々な表情をつくることができます。

紹介した建築は住宅規模のものではありませんが、
考え方は参考になるかと思いますので、
土地や接道などの状況に応じて建物の顔やアプローチの仕方を考慮する必要があり、
土地を選ぶ段階で以上のような考慮をされてみてはいかがでしょうか。

ただ今、以上を加味した中庭型の住宅を計画しています。