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2014/09/18

家は職人次第「内装を考える」床材の基礎講座

現場レポート

古来日本人の住居は、
竪穴式住居や横穴式住居といった土間の中での生活をしていました。

土間は冬は暖かく夏は冷たく生活に適した環境でした。
その後、高床式住居といった建物が出来、初めて床が取り入れられました。
しかしこの建物は、生活の空間ではなく食物などを保管する建物でした。

それから時代は少しずつ変わり、生活する建物に床が取り入れられ玄関は土間、
通路は床板、寝室や客間には畳が使用されるようになりました。

またさらに時代は移り変わり、
西洋文化の影響でテーブルで座位の生活になり畳の居室が減り、
床板の普及が増え始めました。

この床板は一般的に、
無垢フローリング(単層)と複合フローリング(複層)の二種類に分けられています。
ここで、それぞれのフローリングの特徴をまとめます。

・無垢フローリング(単層)
無垢(ムク)とは、天然の木をそのまま一枚の材料として
利用する木材そのもののことをいいます。無垢の特徴として、
温かみや重厚感を感じることの出来る価値のあるものといえます。

無垢材には、室温の変化によって水分を吸収したり排出したりする調湿機能があり、
その効果がより高いことが知られています。

しかしその調湿機能の影響により、環境の湿度に応じて伸びたり縮んだりする
天然木の特性がそのまま表れるので、
伸縮により継ぎ目部分に隙間が生じることがあります。

ですので自然を身近に感じることができる材料といっても過言ではないでしょうか。
















・複合フローリング(複層)

表面材と基材などを合わせて作る複合フローリングは、
膨張や伸縮、ねじれ、反りなども生じにくい特徴があります。

基材の組み合わせや塗装方法で様々な性能を持たせることが出来、
遮音や床暖など利用目的に合わせた高い機能性と、
バリエーションの豊富さは複合材ならではと言えます。

健康面では、シックハウス症候群の原因とされている接着剤成分のホルムアルデヒドの
発散量について厳しい基準(F☆☆☆☆)などの等級区分が定められており、
総合的に室内空気汚染の原因物質を低減する方向性で取り組まれています。






(永大産業 カタログより参照)

現在は、耐傷性、耐衝撃性、耐摩耗性を上げた商品が飛躍的に向上しているため、
日本の80%は複合フローリングが使われていますが
やはり天然の風合いが好まれる方も多く、
無垢フローリングの味わいに翻弄される方もおられます。

なぜなら家の中で寝転がったり素足で歩いたり
一番肌が触れ身体で感じる場所が床だからです。

床材で家の内装の雰囲気も変わり材質や材種によっても変わります。

内装を考える上で、
各居室にあったフローリング選びも重要なポイントといえるのではないでしょうか。