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マキハウス ミラノオフィス通信

ENZO・MARI

今回は最近読んだデザイン本の中で少し考えさせられたデザイナーについて書こうと思います。

その著者は、デザイン界のカミナリ親父の異名をとるENZO・MARI氏(エンツォ・マリ)。
とにかく講演会がある毎に怒る人で今のデザイン界にメスを入れまくり、周りからものすごく怖がられているデザイナーです。私も何度かあったことはあるのですが、毎回コテンパンにやられます。会うとすごく怖いデザイナーですが彼の書いた本と向き合えば素直に彼のデザインに対する情熱、実直な姿勢が理解できます。彼はデザインをする際に物凄くリサーチに時間をかけ、歴史やデザインと社会との関係、そしてプロジェクトのあるべき姿を導きだす能力に長けています。

最近彼のPROGETTO E PASSIONE(デザインと情熱)という本を久しぶりに読んで再度感心しました。
デザインはいったいどこから始まったのか?という疑問に対し彼はデザインはフランス革命以降に始まったと言っています。フランス革命は人間の歴史の中で最も重要な出来事です。世界で最も重要な出来事がフラン革命だったんです。フランス革命の話をすると今の若い人はほとんど何も知らないんですね。フランス革命は王政に反対しただけとか、そんな簡単なことを思っていらっしゃる人がいる。しかし、フランス革命以前の状況を皆考えて欲しい。西洋のみならず東洋でもそうです。

フランス革命の前は宗教革命もありました。モハメッド、ブッダ、いろんな宗教関係の革命が起こりました。そういった宗教の革命で何を言ったのか。宗教革命をした人たちは、宗教というよりも政治的な先導者といってもいいでしょう。こういった宗教家たちは、世界には非常に大きな差があるといっていました。貧しい人は貧しいままに亡くなり、そしてその一方で金持ちがいる。貧富の差があまりに大きいことを知っていました。しかし、宗教は”死後の世界は皆同じだ”と人々に話しかけてきたわけです。現世では貧富の差があるけれども、死後の世界は皆平等であるよと。これが宗教が私たちに教えてくれた倫理観だったわけです。これが一大前提であって、今の現世をそのまま受け入れなさいということです。
ところが、フランス革命で何が起こったかといいますと、自由・平等・同胞愛、とりわけ平等を標榜したわけです。つまり、フランス革命は現世でも天国が実現できる、皆いい生活が出来るんですよと、初めて訴えたわけです。すなわち、私たちが頑張れば社会を変えることが出来る!世界を変えることが出来る!と訴えたのがフランス革命なんです。

私たちがあたりまえのように思っている今の世界は200年前には存在せず、ましてや皆が良い生活を送れるためにデザインをすることなど考えられなかったわけです。
マリ氏の言葉に触れてデザインはフランス革命以降に始まり、宗教的価値観の変化がデザインの始まりだと理解できた。そしてデザインはこういった歴史を経て始まったんだと知り、もう一度デザインと向き合って行く姿勢を正し、今後デザインを通して何が出来るのかを模索していきたいと思います。

K.O

<掲載編集:内田>

ミラノオフィス通信- アシスタントデザイナー 内田 - 2008/07/16

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