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2014/11/08

街のような集合住宅 マルセイユのユニテ

マキハウスデザインの旅

以前ブログでロンシャンの教会がアップされていましたが、
今回は同じ建築家であるル・コルビュジエが設計した
マルセイユのユニテについて取り上げてみます。




マルセイユの郊外に佇むこの集合住宅は
1952年竣工の鉄筋コンクリート造18階建です。
住居の他にも様々な生活施設が設けられているので
建物全体が小さな”街”のような雰囲気です。

なお一部居室が改装されて宿泊できるのも
とても魅力的な一面です。

中間階には日用品店やレストランがあります。



屋上には体育館やプール、かつては幼稚園もあったといいます。



またコルビュジエの代表的なモチーフが
随所に施されています。

下の写真はモデュロールという、
人体寸法を元に空間を構成したコルビュジエの概念です。
建物の外壁に堂々と表現されています。




またロンシャンの教会や他の作品でも見受けられる、
特徴的なステンドグラスも採用されています。

住居はメゾネット形式で、
シャルロット・ペリアンの椅子や
ジャン・プルーヴェの階段があります。




でも最も驚くのは、
なんといっても内部空間の狭さです。
天井には手が届いてしまいますし、
寝室もベッドを置くとギリギリ感が更に強調されます。




しかし本当に必要なスペースや快適性を追求した結果が、
このユニテのプランニングに集約されているような印象が
今でも強く残っています。

それは生活されている方のいきいきとした表情や、
この集合住宅が長く大事に使われ続けていることが
証明しているように感じました。