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2016/07/11

マキハウスらしさをつくったものは?

豊かに暮らすということ

25年ほど前、まだ20代の頃に、東京の住宅会社で家づくりを手がけてきた私は、その後、福岡に戻って、住宅の仕事を始めました。

その時、私が驚いたのは、これまで東京でつくってきた家と、今、目の前にある福岡の家の違いでした。その品質の差の大きさに本当に愕然としました。

東京でつくってきたのは、タイル張りの外壁は当たり前で、しっかりとした本物の自然素材を使ったものがほとんど。

それに比べて、福岡のハウスメーカーのつくる家は、どれも同じように安い外壁材、寿命の短い屋根材、デザイン性の低い、個性があるとは言い難い、普通の4LDKばかりで、海外や東京の家を見てきた自分にとっては、魅力を感じないものでした。

その頃、設計士さんが手がけたデザイン性の高い住宅は、福岡にはほとんどありませんでした。

その現状を見て、決心しました。「福岡の家をもっと質の良いものに変えよう!」と。

まずは住宅のデザインです。設計士さんと一緒につくるデザイン住宅を建てることから始めました。

それまでいい家はたくさん見てきていたので、良いデザインを作ることにはさほど苦労しませんでした。しかし、建てることに関しては、知識が圧倒的に足りなかった。

いろんな人に声をかけ、相談していくうちに、ある宮大工の棟梁が「今なら少しあいてるから1軒やってあげるよ」と言ってくれました。宮大工をやるぐらいですから腕がめちゃくちゃいい。これだ!という家ができあがりました。

1軒の約束でしたが、あと1軒、あと1軒とお願いしました。その間に、いろいろと教えてもらったんです。

大工

自然素材は生きています。木の反りや力の方向など素材の性格をきちんと見て、職人技で一つひとつ丁寧に作っていくのが、大工さんや左官屋さんの手仕事。

ハウスメーカーは逆に工場で大量生産するパネルを組み立てて作る画一的な家ばかりを建てていましたが、「手きざみに勝る家はない」と、大工さんから育てられたのです。

30歳のころつくったこの「設計力と技術力」という二本柱をもとに、「遺る家」を目指したことが、今の「マキハウスらしい家づくり」につながっています。