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はじめに

多くの人にとって、家を購入する機会は何回もあるわけではありません。「家の購入は、これが最初で最後!」というような、一回限りの方も少なくないでしょう。そして、それぞれの方が家を購入する際に苦労されたことなどが、どこかに蓄積されているというわけでもありません。それゆえ、家を購入する際の注意点、チェックポイントについては、最初からわかっていらっしゃる方は少なく、手探りで対応されている方がほとんどではないでしょうか。そこで今回は、物件探しから引き渡しまでの基本的な流れと、知っておかなければならない注意点・チェックポイントについて、なるべくわかりやりやすくお伝えしてまいります。

知っておかないとまずい!
家を購入するための流れ

家を購入するまでの流れは、「物件探し」、「購入の申し込み」、「不動産売買契約・重要事項説明」、「住宅ローン」、「決済・引渡し」といった流れで進んでいきます。これから、それぞれについて、お伝えいたします。

物件探し

まず、基本的なことを二つ申し上げます。一つは情報収集についてです。不動産の物件探しはインターネットでは完結しません。確かに、今は不動産のポータルサイトはとても使い勝手がよくなっています。細かく条件を設定し、登録しておけば、定期的に情報をメールで取得することも可能です。

しかし、それだけで契約が完了するわけではありません。また、ポータルサイトに載っている情報を頼りに、独力で物件の下見に行ったりすることは、不可能ではありませんがとても骨の折れる作業です。ですから、購入を考えていたエリアにはどんな物件があって、どのくらいの相場なのか、大まかなところを掴んだら、不動産会社、もしくは希望の住宅メーカーに問い合わせて物件見学を申し込むのが良いでしょう。

もう一つは、希望する物件についてです。よく、物件探しをする前に、「どこで、どのような暮らしをしたいのか」や、「何を優先事項にするのか」といったことを、しっかりイメージすることが重要とです。

しかし、物件探しをする前から、住まいのイメージを固めるというのもなかなか難しいものです。物件を探しているうちに、「駅から近いところでないとどうしても納得できない」とか、「外灯が少なくて、夜、周囲が暗くなりすぎるのは我慢できない」とか、自分でもそれまで意識してこなかったようなこだわり、価値観を発見することもあります。同様に、一緒に物件探しをされる他のご家族の考え方というのも、色々なものを見る中で変わっていくということがあるでしょう。

ということで、イメージづくりも大事ですがほどほどのところにして、あとは実際に探している中で考えていくというくらいのところで進めていくとよいでしょう。あわせて、自分の気持ちの変化や、ご家族の気持ちの変化を大事に、節目毎にお互いの気持ちを擦り合わせしながら物件探しをすることが重要になってくるでしょう。こうした基本的なことを踏まえた上で、物件探しの段階では次のようなことに注意すると良いでしょう。

物件情報の入手は幅広く

不動産情報については、大手だからいい物件情報を持っているとは限りません。見た目は簡素なチラシであっても、お宝物件ということも往々にしてあります。そして、お宝物件であればあるほど、すぐに売れてしまうものです。不動産会社を介しての物件探しにある程度慣れてきたら、あらためてお宝物件的なものはないか、再度確認するといいでしょう。

ネガティブなことしかいわない営業担当にはご注意

よくあるのが、「不動産物件には、絵に描いたような理想の物件などありません」と、言う営業担当がいます。これは、「理想ばかり追いかけていないで、早く契約して下さい。」ということを暗に言っている場合があります。しかし、先にも触れたようにお宝物件もあるのですから、こうしたセリフにあまり影響され過ぎない様にするのが良いでしょう。ある程度の情報を営業マンから収集し、あとは、自分の予算・タイミング・面積などを冷静に検討されることをお勧めします。

不動産会社のセオリーにご注意

問い合わせ頂いたお客様に、同じような条件の物件をいくつも見せる。「世の中には良い物件はなかなかないなあ」とお客様が思い始めてきたところで、それまでよりは少し良い物件を見せる。そうするとその物件に決めるお客様が多い。よくある不動産会社のセオリーです。物件探しをしていて、ここまであからさまではなくてもこのような雰囲気を感じ取った時には注意しましょう。早急に物件を決定するのを避ける、あるいは物件探しを少しの間でもストップしてみる、など一息入れるようにするといいでしょう。

自分の気持ちには素直に

物件を見に行った時には、「物件の窓から見える店の看板が不気味だ」とか、「坂道をずっと下ってきたところに物件があるのが少し引っかかる」とか、ちょっとしたことなのですが気になることが出てくるものです。そういう時は、やはりその物件はご自身には合っていないのだと思って、無理に決めない方がいいでしょう。

良い物件である一つの目安

良い物件の一つの目安をお伝えします。それは、自分以外に購入を希望している人がいて、自分が断ったら、他人に交渉権が移ってしまうような物件です。そういう物件は、自分以外の人から見ても魅力的なのです。そんなことも頭の片隅に入れて物件探しをするといいでしょう。

購入の申し込み

「その物件を是非買いたい!」となったら、その意思表示となる「購入申し込み」のステップに進みます。新築マンションで購入申し込みを行った場合、証拠金として、数万円~ 10数万円程度のお金が必要になるケースが多いです。一方、新築一戸建てや中古の場合は、不動産会社に買付証明書なるものを提出することが多いです。

買付証明書というのは、購入価格をはじめとする諸条件について、「この条件であれば買います」という意思を売主に伝える書面を意味します。なお、「買付証明書」を提出したとしても、スムーズに契約となるわけではありません。売主からやっぱりその条件では売れないと、白紙に戻ることもあります。以上が基本的なことですが、購入の申し込みの段階では次のことに注意するといいでしょう。

購入申し込みはキャンセルできます

購入申し込み自体には法的拘束力はありません。従って、この段階でキャンセルは可能です。このことは意外と重要です。むやみにキャンセルするのは不動産会社ばかりではなく売主にも迷惑がかかることなので避けなければなりませんが、キャンセル自体は可能ということは覚えておくといいでしょう。

特に注意したいケース

先にも触れましたが、この段階で他にも買いたいと言っている人がいる、あるいはそういう人がいかにも存在するかの様に不動産会社の営業マンから言われることがあります。また、早急に交渉をまとめようと思って、早々と売主と話をまとめてきて決断を迫る営業マンもいます。このような状況になると、つい焦って早まった決断をしかねません。こういう時は、一度冷静になってよく考えることが必要でしょう。その為にも、「この段階はまだ契約ではない」ということも今一度思い返すことも有効になってくるでしょう。

不動産売買契約・重要事項説明

「購入申し込み」の後、スムーズに交渉が進展するといよいよ正式な契約段階に入っていきます。契約の前には、購入する物件の重要事項の説明を受けます。これは、宅地建物取引業法で定められている事項です。重要事項説明は、宅地建物取引士が口頭で説明しなければならないことになっています。説明の際には、説明者は宅地建設取引士の資格者証を提示する必要があります。重要事項説明の内容に合意したら、契約となります。契約時には手付金を払うのが一般的です。

ここでの注意点は、買い手側の都合で、契約後にキャンセルとなった場合には、手付金が返ってこないのがほとんどだということです。この点が購入申し込みの段階とは大きく異なります。安易にキャンセルということが出来ない点に注意が必要でしょう。それゆえ、重要事項の説明を受ける際には、記載されていないことでも疑問点があれば質問する姿勢が必要です。また、口頭で説明を受けた際に、その事が書面化されていなかった場合には、書面化を求めるとよいでしょう。なお、重要事項説明時には、「その内容について説明を受けました」ということでサインを求められます。こうしたことからも、後で「説明を受けていない」と言ってみてもなかなか聞き届けてもらえないのが通例です。

住宅ローン

売買契約後に、住宅ローンの申し込みに入ります。住宅ローンについては、購入の申し込み段階で事前審査に入る場合があります。住宅ローンの手続きには、様々な書類が必要になります。ざっと挙げると以下のような書類が必要となる場合が多いでしょう。

  • 本人確認書類(運転免許証、健康保険証等)
  • 住民票
  • 収入証明資料(源泉徴収票、住民税課税決定通知書等)
  • 印鑑証明書(地元の市区町村で入手)
  • 実印
  • 物件詳細資料

これらのような書類を準備し、本審査(本審査の前、ローン申込みの前に仮審査がございます)に臨むことになります。審査に通れば、住宅ローン契約となります。なお、借りたお金が相手先に銀行から支払われることを「住宅ローン実行」といいます。住宅ローン実行は、引き渡し段階と同じ時期に行われます。購入者にとっては緊張の一瞬でもありますが、ここまで来れば家の購入もほとんど終盤に来たと言っていいでしょう。

住宅ローンについては、金利が何と言っても一番のポイントでしょう。現在は、超低金利の時代で、金利についても魅力的な商品が沢山あります。当然、なるべく金利の低い商品を選択したいところですが、金利以外のところでは以下のことに注意するといいでしょう。

変動金利か固定金利か

金利を安くするために、各金融機関とも変動金利と固定金利を組み合わせて様々な商品を用意しています。変動金利については、「5年ルール」と「1.25倍ルール」というのがあることを知っておくといいでしょう。「5年ルール」というのは、金利が変動したとしても、5年間は返済額を変えないというルールです。また、「1.25倍ルール」というのは、返済額の見直しの際、金利が上昇することによって返済額が大きく上昇してしまうことになったとしても、これまで設定されてきた返済額の 1.25倍が上限になるというルールです。つまり、 5年固定というのと、変動金利というのはこうしてみると非常に近しい条件であるも言えます。この「 5年ルール」や「 1.25倍ルール」は、大手銀行であれば大体適用しているようですが、銀行によってはこのルールを適用していない場合もありますから、確認するといいでしょう。

もう一つ申し上げたいのは、「5年固定」といっても、 5年間というのは案外すぐに来てしまうということです。従って、変動金利や 5年固定を選択された場合は、その後のことをよく見据えておかないと、成行きの返済となってしまいかねないことに注意が必要でしょう。

繰り上げ返済

繰り上げ返済については、最近のローンでは非常に低額からでも返済可能なものや、手続きがネット上で簡単に出来るものなど、魅力的なものが多く出てきているので、比較検討してみるといいでしょう。その際には、繰り上げ返済実行時に、「返済期間を短縮できるのか」、「期間は変えずに月々の返済額を減らすことが出来るのか」、「期間と返済額両方組み合わせた変更が可能なのか」を確認するといいでしょう。特に、月々の返済額を減らすことが出来る場合は、月々の負担を減らすことに繋がるのでとても魅力的と言えるでしょう。一方で、「月々の返済額を減らすことは不可、期間の短縮のみが可能」というローンもありますので、確認するとよいでしょう。

元利均等返済か元金均等返済

この点について、確認される人はそれほど多くないかもしれません。実際、金融機関からも元利均等返済を勧められることがほとんどでしょう。

一応おさらいまでですが、元利均等返済というのは、元金と利息を合わせた返済額は変わりません。つまり月々の返済額はずっと同じということです。返済額は同じで、返済金額に占める元金と利息のパーセンテージが徐々に変化する方式なのです。ちなみに、返済当初は利息が大部分を占めます。従って元金部分の減り方は遅くなります。一方、元金均等返済というのは、元金部分を返済期間で均等に割り、元金部分の残高に相応した利息部分を載せていく返済の方法となります。返済当初が最も返済額が多くなりますが、年月が経つにすれ返済額は徐々に下がっていきます。

元金均等の場合、例えば家を購入する時期が、お子さんが小学生以下と小さかったりすると、本格的にお金が必要となってくるのが 10年後だったりします。であれば、当初は苦しくても元金均等返済で頑張って返済しておけば、本格的にお金が必要な時期の 10年後は少し楽になっている、というような状況を生み出せる場合があります。元金均等返済は元利均等返済に比べて、取り扱う金融機関が限られるという難点はあるのですが、気になる方は一度両方の条件でシミュレーションして、どちらが自分にとって良い選択か、よく考えてみることをお勧めします。

入居した翌年は、確定申告で「住宅ローン控除」

番外編となりますが、入居した翌年には確定申告が必要です。サラリーマンであれば、入居の翌年だけは確定申告が必要で、それ以降は会社の年末調整での対応となります。

決済・引渡し

工事が完了すると、引渡しの前に、完成立会いと呼ばれるものを行います。施工会社の担当者と一緒に、建物をチェックするのです。

その際に気を付けたいことは、いきなり細部ではなく、大きなところからチェックしていくということです。例えば壁紙の模様だとか、押し入れの扉の形状などが、注文した仕様と違うといったややまとまった作業が必要となる事項がでてきた場合、引越のスケジュールなども考えるとつい妥協してしまうなんてこともあるかもしれません。しかし、直す時期というのはこの時期を逃してはありません。したがって、仕様通りになっていない場合には、妥協せずに最後まで交渉する粘り強さを持って臨むといいでしょう。もちろん、大きな点をチェックした後、細部についても確認することは重要です。その他、定期点検の時期、無料補償期間等、アフターサービスも忘れずに確認しましょう。

まとめ

以上、家を購入するまでの流れについて基本的なことと、注意したいポイントについて段階的に述べてきました。これらのことを参考に、是非納得のいく住まいを手に入れましょう。

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